シロアリの生態
シロアリと聞くとなんだか怖いイメージがありますよね。ほとんどの方は「なんかわからないけど家に被害を加えるやつでしょ?」って思っているかと思います。
そのイメージは間違っておりませんが、そのイメージを悪用するシロアリ駆除業者も世の中には存在します。
基本的な少しの知識でもいいのでシロアリとはどういったものなのかを知っておけば、予防の重要性、どんな部分を気をつければいいのかなどがわかりますし、シロアリ駆除業者の言っていることが本当なのかの判断もしやすくなると思います。
シロアリとは
シロアリは自然界の食物連鎖において重要な役割を持っている存在で、実は地球上でもっとも多い昆虫と言われています。
なのに、なぜあまり見かけないかというと木が主食で日光や寒さに弱いため普段は表面に出てこないからです。森などの倒木など食べて土に還してくれることから「森の分解者」と言われています。
日本では22種前後の種類が確認されており、住宅に被害を及ぼす種類は本島だと主に3種類です。
- ヤマトシロアリ
- イエシロアリ
- アメリカカンザイシロアリ
シロアリの食性
木が主食なのは木に含まれる「セルロース」という成分がシロアリの栄養源になるからです。なので主食は木ですが、段ボールや紙、コンクリートなど、セルロースが含まれているものなら何でも食べれます。
その中でも水を多く含んだ柔らかいものを好みます。木材でいうと住宅にもよく使用されるスギ、ヒノキなどを好みますので、浴室、トイレなどの湿気が多くなるところが被害になりやすいのはその為です。
クロアリとは違う?
アリと聞くと普段目にする黒いアリ(クロアリ)と一緒の種類と思われがちなのですが、クロアリはハチから進化した昆虫で、シロアリはゴキブリから進化した昆虫です。
ただクロアリに似ていて白いから単純に「シロアリ」と呼ばれています。
違いとしてはクロアリは「完全変態」と呼ばれる生き物で卵・幼虫・蛹・成虫の順番で成長しますが、シロアリは「不完全変態」と呼ばれる生き物で蛹の部分がありません。
幼虫と成虫の形も大きさは違うもののほとんど変わりがなく卵から孵化してすぐ動きまわれます。
また、ともに集団行動をする生き物ですが、クロアリは俊敏な動きと高い戦闘能力から単独行動をすることも可能です。
一方シロアリはというと動きも遅く、戦闘能力も低いため、外敵から身を守ることができません。なのでしっかりと役割分担をして集団で生きる、社会性が高い生き物なのです。
シロアリの役割分担
幼虫の段階では全て同じなのですが、女王・王の分泌するフェロモンでどの階級になるのかが変わります。
具体的に以下のような階級があります。
階級 | 役割 |
女王 • 王 | 一つの巣に1匹ずついて、生殖活動に専念します |
副女王 • 副王 | 女王 ・ 王が死亡した時、代わりとなります |
ニンフ | 羽アリとなり新しい巣を作ります |
兵蟻 | 外敵と戦って、仲間を守ります |
職蟻 | エサを取ったり、巣の構築をしたりします(全体の90%) |
巣がある程度大きく成長すると、ニンフが増え、羽アリになり新しい巣作りのために飛び立ちます。
4月から6月に多く、この時に初めてシロアリの存在に気づくケースも多いです。
ただし飛び立っているのはニンフだけになりますので、今までの大多数のシロアリは同じ巣で活動しています。
シロアリの天敵
先ほどクロアリとシロアリの違いを説明したと思いますが、実はクロアリがシロアリにとって一番の天敵になります。
他にもツバメやクモなどもシロアリを好んで食べますが、巣が表面上に出ていないため巣ごと全滅させられるということはあまりありません。
しかしクロアリとなると巣を見つけられてしまうため、一番の天敵となります。
住宅に被害を及ぼすシロアリの種類
次にシロアリの中でも住宅に被害を及ぼすヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリのそれぞれの生態について解説していきます。
ヤマトシロアリ
比較的に寒さに強く、北海道の北部を除く日本全土に分布しています。
濡れた材を好み、餌場にそのまま巣を作ります。主に地中から蟻道と言われる道を作り常に濡れている木材など食します。
地中からの侵入で天井までは行かないと言われていますが、雨漏りなどで常に濡れている場所があると、そこまでの侵入も考えられます。
羽アリの活動時期はイエシロアリより早く4月〜5月ごろが中心になります。
イエシロアリ
寒さに弱く、千葉県以西の温暖な沿岸地域を中心に分布しています。
ヤマトシロアリと同じく濡れた材を好むのですが、巣は餌場とは別に作り、行動力があり、一つの巣の個体数が100万匹にもなる事もありますので、住宅が狙われた場合、被害が大きくなってしまいます。
更に水を運ぶことも出来ます。乾燥した木材でも、湿らせながら食べることができますので床下から天井まで広い範囲の被害になってしまう可能性もあります。
羽アリの活動時期はヤマトシロアリより遅く6月〜7月ごろが中心になります。
アメリカカンザイシロアリ
上記の2種類とは違って、乾燥した木材の中のわずかな水分だけでも生活することができます。
巣は餌場に作るのですが1箇所ではなく何箇所かに分かれているケースが多く、更に個体数が少ない分、食害が進むのが遅いので早期発見が難しい種類です。
発見の手がかりになる一番多いケースとしては「糞」です。雨リカカンザイシロアリは巣の排出口の穴から糞を外部に排出するため、たらこをバラバラにしたように糞が溜まります。
羽アリの活動時期は主に7月〜9月ごろが中心になります。
種類別比較
ヤマトシロアリ | イエシロアリ | アメリカカンザイシロアリ | |
分布 | 北海道北部を除く日本全土 | 千葉県以西の温暖な沿岸地域 | 宮城県から沖縄県までのまでの24都道府県 |
巣 | 餌場をそのまま巣にする | 餌場と別の場所に巣を作る | 餌場をそのまま巣にする(複数箇所) |
個体数 | 2〜3万匹 | 50〜100万匹 | 数百〜数千匹 |
羽アリ発生時期 | 4月〜5月 | 6月〜7月 | 7月〜9月 |
羽アリ発生時間 | 夕方から夜 | 午前中から日中 | 午前中から日中 |
主な侵入経路 | 湿った材を好んで地中から侵入する事が多い。雨漏り箇所などがあるとそこに進行する事もある。 | 個体数が多く、行動範囲が広いので狙われた住宅は被害大きくなる傾向がある。 | 巣が複数箇所があるのと乾いた木の場所でも生活できるため、発見するのが非常に難しい。 |
被害にあわないために
シロアリがどういう生き物なのかがある程度知っていただけたかと思います。
基本的には日光を嫌い、湿った木材などを好みます。
なのでまずは
- 餌となりうる枯葉や木材を家の周りに放置しない
- 基礎の周りに物を置かずに風通しをよくする
- 雨漏り、水漏れ箇所が発見された場合は修理する
を心がけ5年に一度は床下の点検、予防薬剤散布を行いましょう。
予防薬剤散布も被害にあった場合の駆除作業に比べれば全然安く済みますので、5年一度は行うことをオススメします。
それでも、生き物なので絶対に被害に合わないとは言い切れません。
もしシロアリの被害を発見した場合には焦らずに対処しましょう。
まず、もし業者にお願いするようであれば、ご自身で殺虫剤をかけたり、刺激したりするのはやめましょう。
シロアリは非常に警戒心が高く臆病な性格をしているので、刺激を与えてしまうと、巣の移動をして発見しにくくなってしまいます。
また、状況にもよりますが、被害を発見して数日で家が壊れるなんて事はありません。焦ってしまう気持ちはわかりますが、落ち着いて何社かの業者の意見を聞き対応しましょう。
我々DC HOME`sは神奈川全域で活動しています。もしシロアリ駆除、予防の事でご相談などございましたらお気軽にご連絡ください。
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